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解決事例/コラム

過払い金の回収 裁判は必ず必要か?

2019.08.25

まめ知識

ご自身で消費者金融や信販会社から取引履歴を取得し、市販の過払い金計算ソフトを利用して過払い金の計算をして、消費者金融や信販会社に請求をしてみたが、「過払い金はあるが、全く支払えない」「過払い金総額の1割しか支払えない」「過払い金は支払えないが、今ある借金をゼロにするから、それで勘弁してほしい」といったようなことを言われて、過払い金回収の交渉が進まないケースがあります。

過払い金回収の交渉が手詰まりとなってしまうケースです。

上記の場合、過払い金回収のためには必ず過払金返還の裁判をする必要はあるのでしょうか?

過払い金返還の裁判は、民法703条、704条に基づく不当利得返還の請求訴訟を提起する必要があります。払いすぎた利息=過払い金が不当な利得にあたり、不当な利得を過払い金として返還しろという裁判です。

過払い金は、貸金業者が返還すべき義務があるものです。そうである以上、裁判所に訴えなくても、借主から請求されれば、貸金業者は過払い金を返還すべきです。

それは、貸金業者の店頭で、過払い金の返還請求を受ければ、過払い金を返還すべきです。しかし、貸金業者が店頭で過払い金を返還してくれることはありません。

それでは、過払い金の返還請求は裁判をしなければできない手続きなのでしょうか?

最近では、あまりに大量の過払い金の返還請求を受け、過払い金返還に充てる資金が不足して倒産した武富士を始め、貸金業者の生き残り競争も終わりに近づいている気配です。それでも、アコムやプロミス(現SMBCコンシューマーファイナンス)、レイク(現新生フィナンシャル)等大手の消費者金融や信販会社は多くの顧客をかかえ、その顧客の中には過払い金の返還を求める権利を有している方も数多くいらっしゃいます。しかし、消費者金融や信販会社の経営状態は悪化し、倒産のリスクがないわけではありません。消費者金融や信販会社が倒産してしまえば、過払い金の返還は(ほとんど)受けられないでしょう。

過払い金返還の裁判をした場合、裁判の開始から終了までには相応の期間を要するので、過払い金の回収には確実に時間を要することになります。その裁判の途中に倒産してしまうというケースも想定されます。武富士の倒産の時も多くの過払い金の返還の裁判が行われており、その裁判の全てが倒産により中断され、解決をみないまま終了していきました。

上記の事情を考えれば、過払い金の回収で注意すべきことは、

➀いかに満額に近い過払い金を回収するか、

➁いかに、早期に過払い金を回収するか、

です。

そして、➀と➁は反比例の関係にあるといえます。

消費者金融や信販会社は、裁判を起こす前の過払い金の返還の交渉の際、返還する過払い金額が多ければ過払い金の返還時期が遅くなり、過払い金の返還額を譲歩すれば、過払い金の返還時期は早まることになります。

もっとも、弁護士や司法書士からの過払い金返還請求に対しても、上記のように「過払い金は支払えない」

と回答してくる消費者金融や信販会社に対しては、過払い金返還の訴訟を起こす必要があります。
過払い金の返還訴訟は、原則として➀取引の履歴という証拠と➁利息制限法という法律にしたがって行う裁判で圧倒的に過払い金を返還請求する側に有利な裁判です。いくつかの有名な争点もあり、取引の履歴次第で過払い金の金額が上下することはあります。ですが、通常、過払い金を請求する側に有利な裁判ですので、過払い金の返還請求の訴訟を起こすと、それまで「過払い金は支払えない」と強硬な態度をとっていた消費者金融や信販会社も、態度を改め、「過払い金は支払うが、減額してほしい」と言ってきます。立場が逆転することになります。

原則として、過払い金を減額する理由はありません。ただし、上記のとおり、裁判が長引けば、倒産リスクを伴うことにもなりかねません。そのあたりのかけひきは、過払い金の返還を求めた相手業者や争点の有無等の諸々の事情を考慮して、過払い金の返還額の減額に応じる許容範囲を決定する必要があります。この決定をするには、司法書士などの裁判経験が重要になってきます。過払い金の金額が100万円を超えている場合、たとえ司法書士に約20%の報酬を支払ってでも満額に近い過払い金を回収してもらうのと、相手の減額主張にのってしまい、過払い金満額の50%で妥協した場合では、最終的に依頼者様の手元に戻ってくる過払い金金額は、司法書士に依頼した方が多くなるのです。

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