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解決事例/コラム

過払い金返還請求が住宅ローンの審査に影響するのでしょうか?

2019.09.08

まめ知識

過払い金請求をしてもブラックリストにはのりません、とほとんどの法律事務所、司法書士事務所のホームページには記載されています。しかし、それは本当なのでしょうか?
ブラックリストにのる=ローンの審査に通らない、です。
そもそもブラックリストなるものが存在しない以上、債務整理をしてブラックリストにのるという表現は不正確で、「債務整理をすれば今後数年間は新たな借り入れや自動車等のローンが組めなくなる(可能性が高い)」というのが正確な表現です。
それは、私が自己破産の手続きをお手伝いさせて頂いた方の中に、自己破産の手続き終了後、2か月後に数百万円の高級車の自動車ローンの審査が通った方がいらっしゃったことから、債務整理=借りられない、というのは一部事実ですが、全ての方に当てはまることではないと考えています。
その方は、確かに自己破産の手続きをせざるを得ない程に借金を重ねてしまいました。金融業者の立場からすれば、その方にローンを組ませたくないということになるのでしょう。しかし、その方は、しっかりした会社に長年勤務されている方でした。そういった過去の債務整理、自己破産の事実のみならず、その方の職業、収入、家族構成等も総合的に考慮され、各種ローンの審査はなされるものと私は考えます。
したがいまして、債務整理や自己破産をした→ローンの審査に通らない、という必然性はないと考えています。
私は、やむをえず債務整理や自己破産をするに至った方には、「仕事を頑張ってください」と一言付け加えるようにしています。それは、上記のような事例があったからです。
住宅ローンに通らない等の悪影響を及ぼすのでしょうか?
消費者金融や信販会社に対し、過払い金返還請求をした場合、現在借金があること、過去に借金をしていたことが、ローンを申請しようとする銀行等金融機関に知られてしまい、住宅ローンなどの借り入れに何か影響が出るのではないか…と心配される方も多いと思います。
この点については明らかではありませんが、私の豊富な経験を元に記事を書いてみましたので参考にしてもらえたらと思います。
ここでは、過払い金の返還請求をするタイミングによって住宅ローンへの影響の有無は異なると思われます。


1 住宅ローン申し込み後に過払い金返還請求をする場合


住宅ローンの審査を通過して無事に借り入れができて、なおかつきちんと返済もできている状態なら、過払い金返還請求をしても特に問題にはならないと思われます。借り入れたローンにつき、過払い金返還請求をしたことは、銀行が一括返済を求める理由にはならないからです。
★ローン返済中の過払い金返還請求は悪影響があるのでは??
ローンを借りて返済している最中に過払い金返還請求をすると、ローンを借りている金融機関から契約の見直しや一括返済を迫られたりするのでは…と心配になる方もいるかもしれません。しかし、返済計画とおりにローンの返済ができている状態であれば、過払い金返還請求をしてもマイナスの影響はないと考えます。
銀行等金融機関が契約見直し、一括返済を求めるには、根拠となる理由が必要であることはいうまでもありません。何の根拠もなしに、突然一括請求される契約であれば、怖くてローンを組むことなどできません。
そして、「借り入れを行った人の経済状態に不安が生じた場合」に契約の見直しや一括返済を求めることができる、とうような契約条項が入ったローン契約はあるでしょう。しかし、過払い金返還請求をすることは借り入れを行った人の経済状態を悪化させる行為とはいえません。
したがいまして、ローン返済中に過払い金返還請求をすることは、ローン返済に悪影響を及ぼすことはないと考えます。
★住宅ローンの返済と過払い金返還請求は、そもそも別個の手続きで関連性がない
過払い金返還請求は、消費者金融や信販会社が不当に得た金利を過払い金として返還請求する手続きで、正式には不当利得返還請求(民法703条、704条)といいます。業者に不当な利得があり、その利得を過払い金として返還を求める手続きである以上、請求者のローンの返済能力に不安を生じるわけではありません。
ローンを借りている金融機関等に過払い金返還請求をした事実などを告げる必要もありません。


2 住宅ローン申し込み「前」に過払い金返還請求をする場合

上記のとおり、過払い金返還請求は、ローン申し込み者のローン返済能力に不安を生じる行為ではありません。
もっとも、現在、金融機関は消費者金融と銀行は密接な関係にあります。アコムは三菱UFJ銀行の、プロミス(現SMBCコンシューマーファイナンス)は三井住友銀行の子会社です。
そして、過払い金返還請求の相手は、アコムやプロミスです。
そうだとすれば、住宅ローンの申込みをする前にアコムやプロミスに(アコム、プロミスに限られませんが)過払い金返還請求をするときは注意を要します。なぜなら、過払い金返還請求をした事実がアコムやプロミスから三菱UFJ銀行や三井住友銀行に情報提供される可能性があるからです。住宅ローンのような大型のローンではなく、テレビのコマーシャルでもおなじみの銀行のカードローンには、ほぼ全てに保証会社というものがついています。三菱のカードローンであればアコムが、三井住友であればプロミスが保証をしています。そのような関係にある以上、アコムやプロミスに対して過払い金返還請求をした場合、アコムやプロミスは、過払い金の存在を認識する一方で、銀行の保証をも認識することになります。仮に銀行のカードローンの返済が滞っていた場合、アコムやプロミスは返還すべき過払い金と滞った銀行カードローンの返済金を相殺してくる可能性があります。したがいまして、アコムやプロミスが過払い金返還請求を受けた場合、銀行のカードローンの返済状況を銀行に照会している可能性が大きいです。そのような流れで、たとえ銀行のカードローンを利用していなくとも、銀行に過払い金返還請求の事実が伝わる可能性があるのです。